日本ジェネリック医薬品学会(GE薬学会)は、病院薬剤部が後発品選択に際して活用している情報を、地域の調剤薬局と共有する薬薬連携が、どれだけ後発品の使用促進につながったかを調査する方向で調整に入った。具体的には、GE学会が選定した3病院を対象とし、8~10月までの3カ月間トライアルする。厚生労働省医政局経済課も、「病院薬剤部と地域薬局との情報共有ネットワーク構築は大いに賛成。これまでの予算の活用も含め、支援の方法を検討したい」と歓迎する意向を示している。
後発品は、品質・情報・安全が求められる。病院薬剤部では、特に品質・情報について、独自の確認試験を行ったり、論文などの情報収集を充実させ、後発品の選択を行っている。しかし、大半の調剤薬局ではそうした取り組みが困難なのが実情。そのため、後発品の備蓄品目数を増やすことで対応しているが、調剤薬局にとって大きな負担になっている。実際、メバロチンなどは、7種類を備蓄している薬局もあるほどだ。
さらに、複数の種類の後発品を揃えた場合、後発品間で異なる値段の説明にも手間取る。どの後発品を薦めても、その理由を問われるため、在庫管理などよりも「面倒くさい」というのが実情のようだ。
そこで、病院薬剤部がリスト化した院内で使う後発品の情報を、地域の調剤薬局が共有し、備蓄選択や備蓄数の負担を減らすことで、後発品の使用促進を図れないかということが考えられている。トライアルは、その使用促進効果を検証するもの。
GE薬学会では、次期診療報酬改定に向け、薬薬連携に対する診療報酬上の評価を求めているが、その成果を評価の根拠にする狙いもある。
モデル事業を行う3病院については、「GE薬学会の役員の病院になるだろう」としており、新潟大学病院や聖マリアンナ医科大学病院、東邦大学病院などが想定される。
厚労省経済課の木下賢志課長は、日本病院薬剤師会にも協力を要請していることを明らかにした上で、「病院を中心に、地域でどの後発品を採用したらいいかについての情報基盤ができれば、後発品の促進につながるのでは」と、病院薬剤師を中心としたネットワークの構築に期待感を示している。