武田薬品は、米アミリン・ファーマシューティカルズから導入した抗肥満薬「プラムリンタイド」と「メトレレプチン」の併用療法で、肥満症を対象に第III相試験を始めると発表した。米国で進めてきたプラムリンタイド+メトレレプチン併用療法の第II相試験の結果、持続的かつ顕著な体重減少という評価基準を満たす良好な結果が得られたことによるもので、今後、同社は両剤の配合剤を視野に、開発を進める考え。
武田薬品は、昨年、アミリン社から抗肥満薬「プラムリンタイド」「メトレレプチン」「ダバリンチド」を含めた開発品目の全権利を取得。アミリン社が第II相試験までを担当することになっていた。肥満症患者を対象に、米国で実施されたプラムリンタイド+メトレレプチンの併用第II相試験の結果、プラムリンタイド+メトレレプチン群で持続的な体重減少効果と共に、BMI35未満の肥満患者で有効性が認められたことから、両社は第III相試験への移行を決定した。
プラムリンタイドは、膵β細胞から分泌されるアミリンのアナログ製剤。アミリンは37アミノ酸からなるペプチドホルモンで、食後のグルカゴンの分泌を抑制し、食物の吸収を遅らせるとされている。また、メトレレプチンは消費の制御に重要な役割を果たしているレプチンのアナログ製剤。いずれも、肥満症管理に有望な薬剤として関心を集め、開発が進められてきた。
一方、抗肥満薬「ダバリンタイド」に関しては、既に終了した米国第II相試験の結果、プラムリンタイド単独療法、プラムリンタイド+メトレレプチンの併用療法に比べて体重減少効果と忍容性で期待した効果が得られなかったことから、開発中断を決めた。