
ズルエッタ社長
日本イーライリリーのアルフォンゾ・ズルエッタ社長は8日、都内で記者会見し、2009年度の売上高が初めて1000億円を突破したことを明らかにし、「10年度も二桁成長を維持できる」と見通しを語った。新製品の抗癌剤「アリムタ」、注意欠陥・多動性障害(ADHD)治療薬「ストラテラ」が二桁成長のドライバーと位置づけ、20年の目標売上高を35億ドルから40億ドルに引き上げることで、国内10位以内を狙う考えだ。
同社の09年度売上高は、前年度比19%増。主力品の抗精神病薬「ジプレキサ」が7・7%増、抗癌剤「ジェムザール」が14・4%増と堅調な伸びを示し、新製品の「アリムタ」「ストラテラ」も好調に滑り出した結果、国内二位となる成長率を達成した。
ズルエッタ氏は、「最も急成長を遂げる製薬企業となる」と強調。14年に20億ドル、20年に40億ドルの達成を目指していく方針を示し、「現在のポートフォリオでグローバル9位の順位を、日本でも達成できる」と、国内10位入りへの意欲を語った。その上で、10年度も二桁成長の予測を示し、引き続き「アリムタ」「ストラテラ」をドライバーと位置づけていく考えを表明した。
そのために、バリューチェーン全体で推進する戦略的パートナーシップを強化し、開発ポートフォリオの充実に取り組む。既に米クインタイルズ、パレクセル、コーバンスなどと提携。研究開発でのパートナーシップ戦略を加速させている。
さらに今後、癌、神経科学、内分泌・骨・循環器の3領域に加え、新たに自己免疫疾患領域のバイオ医薬品に参入する。関節リウマチ、乾癬、全身性エリテマトーデス(SLE)などをターゲットに、B細胞活性化因子のBAF、サイトカインのIL‐16、IL‐17、IL‐23を狙った抗体医薬の開発を進める。既にバイオ医薬品に関して、国内開発が開始されている模様だ。