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【ライフテクノロジーズジャパン】試薬・機器を技術融合し日本市場で攻勢‐分子診断と再生医療に照準

2010年04月19日 (月)
シダータ・カディア社長

シダータ・カディア社長

 バイオ試薬大手「インビトロジェン」とバイオ機器大手「アプライドバイオシステムズ」の統合によって誕生した米ライフテクノロジーズの日本法人「ライフテクノロジーズジャパン」は、分子診断・再生医療分野で日本市場に攻勢をかける。現在、試薬と機器の技術融合を進めている段階で、次世代シークエンサー「ソリッド」を活用した分子診断や、再生医療分野での技術開発などの取り組みを本格化させる。4月に新社長に就任したシダータ・カディア氏は、本紙のインタビューに応じ、「ライフテクノロジーズのブランドを確立し、マーケットシェアのみならず、研究者のマインドシェアを獲得したい」と述べ、売上高で年5%台後半の成長を目指す方針を明らかにした。

 ライフテクノロジーズは2008年11月、インビトロジェンとアプライドの統合によって設立された。分子生物学システムや遺伝子学システム、細胞システムを事業分野に、主に研究者向けに約5万製品を開発・販売し、グローバル売上高で約33億ドルの実績がある。今回の統合により、両社の試薬と機器に関する4000の知的財産を活用し、単なるツールプロバイダーではなく、機器と試薬を組み合わせたソリューションプロバイダーを目指していく方針。

 国内では、昨年7月に統合が完了し、「ライフテクノロジーズジャパン」として業務をスタート。まだ、日本法人の売上高は、世界全体に占める割合が低いのが現状だが、「米国」「欧州・中東」「アジア太平洋地域」と並び、日本市場を主要なマーケットに位置づけている。

 既に、インビトロジェンの試薬とアプライドの機器を融合した新製品・新技術の開発が進められ、業績面でも統合後は二桁成長を維持するなど、確実に統合効果が表れてきている。

 今年度には、主力の次世代シークエンサー「ソリッド」の後継品として、「ソリッド4」「同HD」の2製品を投入する計画だ。従来品よりも処理能力を向上させ、1回当たりの遺伝子解析が低コストで行えるのが特徴で、カディア氏は「処理能力を高め、コストを下げることで、DNA解析が研究分野だけでなく、医療現場にも応用できるようになる」と話す。

 将来的には、ソリッドを活用した個別化医療への展開も視野に入れている。既に製薬企業数社と共同研究に向けた話し合いを開始しているもようだ。

 さらに、日本が世界をリードしている再生医療分野にも進出する予定で、カディア氏は「技術が確立していない分野だけに、チャンスがある」と意欲を示す。今後、幹細胞を専門とする研究者と対話を重ね、研究ニーズに対応した技術開発を加速させる。そのためには、「マーケットシェアも大事だが、研究者のマインドシェアの獲得が重要になる」とし、研究者に支持されるブランドを目指し、専門性の高い人材の採用を積極的に行う考えを明らかにした。



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