
中外製薬の永山治社長兼CEOは21日、都内で開いた記者会見で、産学連携による自社の研究開発機能を強化していく方針を示した。また、「ロシュ製品のグローバル同時開発に参画するだけでなく、中外が創出した自社開発品についても、ロシュと共同開発できるようにしたい」と強調。“2ウェイ・トラフィック”で新薬開発を目指していく考えを改めて表明した。
中外は、ロシュグループのR&D機能と、独自の研究ネットワークを活用して、新薬を創出するネットワーク型ビジネスモデルを推進。探索研究を行う「C&Cリサーチラボラトリーズ」「未来創薬研究所」などのジョイントベンチャー設立や、大学との連携を通じて、ロシュグループのR&Dインフラだけではなく、独自の研究ネットワークの構築にも取り組んできた。
既に産学連携を活用した新薬開発については、骨粗鬆症治療薬「アルファロール」、狭心症治療薬「シグマート」、好中球減少症治療薬「ノイトロジン」、関節リウマチ治療薬「アクテムラ」の4製剤で上市した実績がある。
永山氏は、「国内では、中外が産学連携で最も高い成果を得ている」と自信を示し、「われわれの技術とアカデミアの技術を合体することで、自社の研究開発機能をビルドアップできる」と述べ、オープンイノベーションを通じて、研究開発の生産性を高める方針を示した。
その上で、「ロシュ開発品のグローバル同時開発が増えているが、今後は中外の自社開発品を世界に出していきたい」との方向性を語った。