次期診療報酬改定に向け、薬剤師の病棟業務の実態を調べた中医協の2011年度特別調査の速報値が26日、公表された。それによると、1週間の薬剤師1人当たり業務のうち、手術室やICUなどを含む「病棟等」は全体の2~3割を占めていた。薬剤管理指導以外の病棟業務を実施している施設が8割を超えることも分かった。
病棟業務時間の内訳は、患者・家族に対する薬剤の説明・面接が29・3%、持参薬の確認と服用計画の提案が13・5%、病棟配置薬の管理等が10・9%、他の医療スタッフへの助言や相談の応需が9・3%、患者の状態観察に基づく薬効・副作用の確認と医師への伝達が7・8%、患者の状態に応じた積極的な処方提案が5・7%となっている。これらの業務は、いずれも6割以上の施設で実施されていた。
病棟カンファレンスには3割程度の薬剤師が参加しており、「ほぼ全て」が11・9%、「状況に応じて」が19・6%だった。ただ、医師の回診への同行は「ほぼ全て」が5・6%、「状況に応じて」9・1%と比較的少なかった。
薬剤師が病棟業務を実施しない理由については、「今後実施するよう検討中のため」が1割あった一方で、2割が「業務量に見合った薬剤師数が配置されていないため」と回答している。
また、医師や看護師の負担軽減、医療の質向上につながる薬剤師の病棟業務を医師に聞いたところ、既に取り組みが見られる業務を求める意見が多かったものの、薬物療法プロトコルの提案や協働作成・管理、カンファレンスへの参加、注射薬の投与準備など、実態としては比較的実践が少ない業務への期待の声も8割程度あった。