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非常時の衛生用品フェアに意義

2020年03月06日 (金)

 東京医療用品卸商協同組合(岡本正敏理事長)主催の第106回「東京医療衛生用品フェア」が、2月20、21の両日、東京都と東京都中小企業振興公社の後援を得て、東京浅草の都立産業貿易センターで開催された。セルフメディケーション関連の商品を長年にわたって市場に安定供給し続けてきた同組合所属の各企業の総力を結集した提案型フェアであり、今回は「駆け抜けろセルフメディケーション2020」をメインテーマに掲げた。

 100回を超える歴史を持つフェアだが、今回は例年の開催とは異なる状況にあった。新型コロナウイルスの影響で、イベントの開催自粛が広がる中での開催であったことだ。こうした状況は来場者数にも当然影響し、前回に比べて2割ほど減少したものの、約1100人の小売関係者らが会場に詰めかけ、医療衛生用品の専門フェアとして関心の高さがうかがえる結果となった。

 実際、同組合でも開催の是非については議論を重ねた。開催を決定したのは2日前の2月18日だったが、当時は天皇誕生日の一般参賀が見送られたり、東京マラソンの一般参加の取りやめなどが決まった時期。

 それでも開催に踏み切った背景には、現時点では予防することが最大の防御とされる中、マスクや消毒剤、手洗い用洗剤などの予防商材は、同組合所属の企業がメインとする商材であったことが大きいと言えよう。また、「フェアに参加して予防商材等の話を聞きたい」という声も上がっていた。

 開催することを決定した以上、期間中の対策に同組合も万全を期して取り組んだ。来場者等へのマスクの無償提供をはじめ、マスク着用や手洗いの励行に関するPOP、さらには定期的なアナウンスによる呼びかけを行い、新型コロナウイルスに対する予防に努めた。こられの対策は奏功し、当日の会場においてマスク着用などの取り組みは非常に徹底されていた。

 一方、国内では現在、マスクの不足や消毒剤の品薄状態などが社会問題化しつつある。今回のフェアではマスクを無償で提供すると共に、会場内の各所に消毒剤も配備したが、これは同組合が出展メーカーに対してマスクや消毒剤を提供してほしいと声をかけたところ、十分な量が集まったためだ。岡本理事長も「メーカーも数少ない在庫の中からフェアのために提供していただき、非常にありがたかった」と謝意を述べている。

 これらを踏まえても、106回を数えた今回のフェアは従来以上に製配販が一致団結して開催したフェアだったと言えるのではないか。いつにも増してフェアの運営に尽力した関係者らの努力により、マスクの着用、手洗いの励行、消毒剤による除菌といった新型コロナウイルスも対する予防もきちんとアピールされており、非常に意義のある開催になったはずである。



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