
現地とオンラインを併用して開かれた
抗体に抗癌剤を結合させた複合体(ADC)の改良に向けた研究が進んでいる。8月28、29の両日に神戸市で開かれた日本DDS学会学術集会のシンポジウムで、味の素の奥住竜哉氏は、抗体の特定位置を狙って抗癌剤を結合できる自社技術「AJICAP」の特徴を示した。これまでの研究で、AJICAPによって製造したADCは、抗体の様々な位置に抗癌剤が結合する通常のADCに比べて安全性が高く、より高用量の抗癌剤を投与できることが明らかになっており、同技術を製薬企業に活用してもらいたい考えを示した。
ADCは腫瘍組織のターゲット抗原を特異的に認識する抗体と、高い活性を持つ抗癌剤をリンカーでつないで結合させることで、標的の癌細胞内での選択的な薬剤放出を可能とするDDS製剤。抗体の特定位置に抗癌剤を結合させる技術開発が進んでいるものの、遺伝子組み換え抗体を用いる手法がほとんどで、ADCの開発に時間を要することが課題だった。
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