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二次補正による各対策加速に期待

2022年12月16日 (金)

 第210回臨時国会が、会期末日ではあるが異例の土曜日審議、本会議開催を経て10日に閉会し、内閣が提出した22法案のうち21法案、議員提出法案では25件のうち6件が成立した。

 衆参で共に10年以上ぶりという国会の土曜開催は、閣法22番の「法人等による寄附の不当な勧誘の防止等に関する法律案」、いわゆる被害者救済法案を成立するための対応だった。支持率低迷の政権与党としては、国民的の関心が高いこの問題に対して断固たる姿勢を示すために、ぜひとも通過させなければならない法案であったのだろう。

 先立つ2日には、一般会計歳出総額28兆9222億円の2022年度第2次補正予算が参議院で可決・成立した。全体のフレームは、歳出の経済対策関係経費として、物価高騰・賃上げへの取り組みに7兆8170億円、円安を生かした地域の「稼ぐ力」の回復・強化に3兆4863億円、「新しい資本主義」の加速に5兆4956億円、防災・減災、国土強靱化の推進、外交・安全保障環境の変化への対応など、国民の安全・安心の確保に7兆5472億円、今後への備えに4兆7400億円(新型コロナウイルス感染症および原油価格・物価高騰対策予備費3兆7400億円、ウクライナ情勢経済緊急対応予備費1兆円)の計29兆0861億円を計上している。

 一方の歳入では、税収3兆1240億円、税外収入6731億円、前年度余剰金受入2兆2732億円、公債金(建設・特別)22兆8520億円を見込んでいる。

 厚生労働省の2次補正予算追加額は、一般会計4兆6137億円となった。最も多額の予算が割り振られたのは、「新型コロナウイルス感染症対策およびコロナ禍の影響を受けた方への支援等」で3兆6604億円が確保された。

 主な対策では、新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金による支援1兆5189億円、コロナワクチンの接種体制の確保7526億円、コロナワクチンの確保4750億円、感染拡大に備えた抗原定性検査キットの確保863億円などが計上された。

 また、「医療・介護分野のDXの推進、科学技術力向上・イノベーションの実現」には1000億円が充てられた。マイナンバーカードと健康保険証等の一体化に向けた取り組み(オンライン資格確認の用途拡大等の推進)344億円、電子処方箋の安全かつ正確な運用に向けた環境整備・保健医療福祉分野の公開鍵基盤(HPKI)の普及56億円などとなっている。

 そのほか、「子ども・子育て支援等」1967億円には、HPVワクチンの相談支援体制・医療体制の強化9100万円が盛り込まれている。

 国難を打開すべく補正予算を二度も組んだが、国会での成立がゴールではない。打ち出した施策を効率的・効果的に、速やかに実行することを期待したい。



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