◆文部科学省がまとめた6年制薬学部の2022年度の退学率等に関する調査結果は、改めて6年制教育の問題の根深さを実感させるものだった。高い退学率や薬剤師国家試験のストレート合格率が低い大学の問題に加え、そもそも入試競争の倍率が1倍程度とほぼ「全入」に近く、選抜が意味をなさないような大学もある
◆その結果、補習を行っても授業についていけず留年や退学をしたり、予備校頼みの国家試験対策をしても薬剤師になれない学生が見られている。大学という高等教育の成果を出せない現状は普通ではない
◆ここまで来ると、一部の大学には「高い学費さえ取れればいいのか」との疑念が生じる。大学の倫理観を疑わざるを得ないし、薬剤師になりたいと希望を持って入学してきた学生に対する責任放棄と言えないか
◆国の調査を参考に、高校生と保護者にはしっかりとした大学選びが望まれるが、何よりも生徒を預かる大学側の意識改革が急務だ。それができなければ、薬学部の廃止を迫られる事態に追い込まれるだろう。
改めて実感させられた6年制薬学教育の問題の根深さ
2023年01月30日 (月)
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