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「薬都とやま」復権の転換点となるか

2023年03月13日 (月)

◆富山城址公園からは、手前に富山城、その向こうに日医工本社が見える。ガラス張りの建物には青空と白い雲が映り、ひと際目立つ本社ビルの姿は、現代の城といった存在感があった。本社そばの桜木町は経済界の人もよく利用する繁華街で、飲食店が軒を連ねる風景は「城下町」さながら
◆現代の富山の城の城主、日医工の田村友一社長が8日、経営悪化の責任を取って退任した。同社をめぐる騒々しさに比べ、社長退任はあいさつもなく、ひっそりと行われた。臨時株主総会開会直前に見た、背を丸め、うつむき加減で歩く姿には、もはや「殿様」の雰囲気はなかった
◆富山城は、上杉謙信、織田信長、豊臣秀吉などの戦国武将の勢力が争いを繰り広げた地にある。他方、現代の城の城主はファンドになった。武力ではなく資本力による交代とは資本の時代そのものである
◆しかし、働くのは人、扱う製品は健康に直結する。新城主は、患者も社員も大切にし、「薬都とやま」復権の転換点にできるのか。医療関係者、患者は見続けていく。



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