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【日本薬学会第143年会】シンポジウムの概要 重水素創薬:重水素の基礎から重医薬品まで

2023年03月23日 (木)

オーガナイザー
 中寛史(京大院薬)
 澤間善成(阪大院薬)

 重水素化医薬品(重医薬品)は2017年に登場した新しい型の医薬品である。代謝を受けるC−H結合を、より安定なC−D結合に置換することで薬の代謝分解を遅らせ、薬が安定して効く時間を延ばすことができる。22年には重医薬品がわが国でも初めて承認され、研究開発は企業主導で加速している。

 しかし、重水素導入による影響や機能、重水素化の方法論など、学術的側面には不明な点が多い。このような背景のもと、国内では学術変革領域研究(B)「重水素学」が発足し、合成・理論・測定・代謝など、あらゆる側面から重医薬品の科学について統合的な研究が進められている。

 本シンポジウムでは、薬学領域における重水素研究を推進する先生方に、重医薬品の開発の現状や、効率的合成法、また分析や同位体効果などに関わる最先端の知見をご紹介いただく。重水素化を基盤とした創薬研究の基礎から実用化までを議論したい。

 (中寛史



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