オーガナイザー
小川治夫(京大院薬)
大戸梅治(東大院薬)
近年のクライオ電子顕微鏡法等の発展により、これまで解析が困難であった多くの蛋白質の立体構造が解明され、その生理機能の分子レベルでの理解も進んできた。特に、創薬とも深く関連する膜蛋白質の立体構造解析は目覚ましい進展を見せており、今後「蛋白質立体構造をもとにした創薬」も飛躍的に進むことが期待される。
本シンポジウムでは膜蛋白質立体構造研究を推進する5人の日本のトップ研究者を結集し、その最前線の状況を聴衆と共有することを目的とする。B型肝炎ウイルス受容体の立体構造とウイルス感染機構、サイトカインと腫瘍性変異によるヤヌスキナーゼ活性化機構、脂質やポリアミンの輸送や、カチオンを輸送するP型ATPaseの基質認識機構、心筋リアノジン受容体のCa2+結合による開口機構と、いずれも創薬に深く関連する膜蛋白質についてのそれぞれの最先端の研究について紹介いただく。
本シンポジウムが、薬学における蛋白質立体構造研究の重要性を考える機会となることを願う。
(小川治夫)