オーガナイザー
高橋良哉(東邦大薬)
樋上賀一(東京理大薬)
老化・老化関連疾患の発症メカニズムとその制御に関する基礎研究には、様々な動物種が使われている。それぞれの動物種の寿命や加齢特性は異なるが、共通点も多い。一方、近年の遺伝子改変技術は、老化および老化関連疾患発症の分子メカニズムの理解に多大な貢献を果たしている。しかし、目的の遺伝子を破壊するノックアウトなどの加齢特性は、通常の老化とは異なる点もあり、ヒトへの外挿の難しさが垣間見えてきている。
本シンポジウムでは、はじめにオーガナイザーから趣旨説明を兼ねて実験動物の老化の多面性について概説する。次に、三人の先生方に遺伝子改変や食事制限による老化および老化関連疾患発症メカニズム解明に向けた介入研究の有効性と課題について、それぞれの研究の立場から語っていただく。本シンポジウムの締めくくりでは、老化の基礎的研究に長年携わってこられた先生方に、「老化と病気の違い」「ヒトの老化とモデル動物の老化」「老化メカニズムはどこまで解明されたか」、さらに、最近話題の「老化は治せるのか」について論考していただく。
(高橋良哉)