オーガナイザー
河野裕允(神戸薬大)
辻畑茂朝(富士フイルム)
新規医薬品の研究開発およびその臨床応用が中止・中断となる主たる理由は、十分な治療効果が得られない、あるいは重篤な副作用が発現してしまうことにある。これらはいずれも医薬候補品の全身の臓器への非特異的な分布に起因すると考えられる。
この課題を解決する方法として、薬物に標的指向素子を結合させることで疾患部位へ薬物を効率的に送達するアクティブターゲティング型drug delivery system(DDS)の概念が提唱されている。近年、抗体-薬物複合体の相次ぐ承認に伴い、アクティブターゲティング型DDSへの関心が一層高まり、多くの基礎研究が進められている。しかし、それらの技術が実用化に至った例はまだまだ少ない。
そこで本シンポジウムでは、アクティブターゲティング型DDS研究の第一線で活躍されるアカデミア研究者と企業研究者にそれぞれの立場・視点からご講演いただき、アクティブターゲティング型DDS開発の将来展望について議論したい。
(河野裕允)