日本製薬工業協会は4月28日の総会で、一般社団法人「未承認薬等開発支援センター」(仮称)の設立を承認し、今月中の設立を目指して準備に入った。同センターは、ドラッグラグ解消を図るため、未承認薬、未承認効能の開発・承認取得に取り組む企業等の業務を支援するもので、当面は未承認薬開発に対して、医薬品医療機器総合機構(PMDA)相談費用、申請費用等の資金的支援を行っていく。今後、年5品目程度(1品目5000万円上限)の開発業務を支援する予定で、事務経費を含めた年間事業規模は約3億1000万円と見込んでいる。
設立会見で製薬協の川邊新専務理事は、「未承認薬の解消に向けた製薬協主体の組織を設立することは、製薬企業と協会の社会的使命であり責務だ」と、ドラッグラグ解消を目的とした公益性の高い事業だと強調した。
センターの業務は、厚生労働省の「未承認薬使用問題検討会議」などで対応が必要と判断された未承認薬等の開発支援。会員以外も含めた開発企業の募集や開発業務に必要な資金の一部支援、開発業務に関連した知識等の支援、承認取得までの監督官庁との各種折衝業務支援などは、製薬協の各委員会が行う。
センターの社員は製薬協会員(会員外の入会は別途検討)で、理事会は学識経験者と製薬企業OBで構成し、理事長は学識経験者から選任する。
当面の資金的支援対象を未承認薬開発とし、年間5品目を支援する予定。現在、未承認薬で開発業務が未着手、停滞している14~15品目を3年間で処理していく考えだ。その後、未承認効能の開発・承認取得業務支援にも取り組むことを想定している。
一般社団法人としたセンターの事務所は、任意団体の製薬協事務所とは別に設けることにしており、人件費を含めた事務経費を年間6000万円程度と見積もっている。年間事業費3億1000万円の捻出については、当面、各年度における製薬協一般会計会費の3分の1を目安として各社に負担を求める方針だ。