第56回日本薬剤師会学術大会
座長
日本薬剤師会常務理事
原口亨
日本薬剤師会理事
田中千尋
長年、議論準備が行われてきた電子処方箋は、今年1月から正式に運用が開始された。また、以前から導入が進められてきたオンライン資格確認についても4月から原則義務化となった。
国は2022年10月に医療分野でのDX(デジタルトランスフォーメーション)を通じたサービスの効率化・質の向上を実現することにより、国民の保健医療の向上を図ると共に、最適な医療を実現するための基盤整備を推進するため、関連する施策の進捗状況等を共有・検証すること等を目的として、内閣総理大臣を本部長とする医療DX推進本部を設置し、本格的に対応を始めている。
さて、これらの議論において6月に医療DXの推進に関する工程表が示された。工程表にはマイナンバーカードの健康保険証の一体化の加速等、全国医療情報プラットフォームの構築、電子カルテ情報の標準化等、診療報酬改定DX、医療DXの実施主体などが含まれている。
全国医療情報プラットフォームはオンライン資格確認等システムを拡充し、分散している医療情報等の共有を進めるものであり、この情報には電子処方箋に伴う処方・調剤情報等も含まれている。合わせて、医療機関・薬局間での共有やマイナポータルでの閲覧可能な医療情報の拡大のためには、電子処方箋のさらなる普及に加え、やり取りする情報の標準化が必要となる。
本分科会では、医療DXの進展に伴い薬剤師や他の医療従事者がどのような情報を得ことが可能となり、また、そのメリットや現時点での問題点、薬剤師として必要な視点やスキルについて、総論的内容に加え実際の取り組み事例含め、ご講演いただく。
その後、ディスカッションや質疑応答等を含め、テクノロジーを活用した新しい時代の薬剤師や薬剤師業務について意見交換できればと考えている。
(原口亨)