第56回日本薬剤師会学術大会

ユニケソフトウェアリサーチ(ユニケ)の電子薬歴一体型システム「P-CUBEn」は、患者の薬物治療や地域住民の健康を支える重要な拠点の薬局向け業務システムとして、DX(Digital Transformation:デジタルトランスフォーメーション)の推進を支援している。オンライン資格確認や電子処方箋の普及による医療情報の活用や、対人業務を目的としたICT化が、立地に勝る薬局の特長化につながると同社は考えている。
ユニケではオンライン資格確認、電子処方箋の対応を通じて、P-CUBEnの特徴である電子薬歴レセコン一体型を生かした業務の提案を行っている。
P-CUBEnでは、レセコン・電子薬歴を分け隔てなく薬剤情報などの取得や重複投与等チェックを行えることから、処方入力や服薬指導時など調剤業務のどのプロセスでも薬剤情報等を生かした業務を行えることが可能だ。さらに、従来機能との親和性を高め「重複投薬等チェックのマトリックス化で直感的な把握」「薬剤情報を電子薬歴へ一括登録」、そして「電子処方箋管理サービスに登録した疑義照会を薬歴への自動反映」などを行うことができるため、業務効率化にも寄与している。
次に、服用期間中の患者フォローアップは、P-CUBEnに標準搭載された服薬フォローアップシステム「フォロナビ」の利用が有効だ。LINEを活用した迅速なメッセージの自動応答システムにより、使い勝手や利用の継続性において評価を得ている。加えて、東京理科大学との共同研究により疾患や薬剤の特性に合わせたきめ細かな指導コンテンツを標準搭載しており、機能とコンテンツを両立させることで、薬局が効率良く服薬フォローアップに取り組むことができる。また、薬剤師のスキルや経験によりバラつきがあるなどの課題がある中、ICTツールを活用することで質の高いフォローアップの「均てん化」につながると見ている。服薬フォローはただICTを活用した患者の服薬フォローアップの実現にとどまらず、かかりつけ薬剤師などの指導加算の算定やトレーシングレポートの実績など、薬剤師業務をさらに高めるための機能強化を続ける予定だ。
医療DXの骨格として示されている「全国医療情報プラットフォーム」が、今までにない情報を活用した薬剤師のあり方が求められる。今後もユニケは薬局におけるデータ利活用の可能性を支援していく構えだ。