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【医薬品市販後の安全情報管理最前線】イーピーエス

2023年09月13日 (水)

RWD活用した新サービス‐使用実態に近いデータ提供

 EPSは、リアルワールドデータ(RWD)を活用した医薬品安全性監視支援サービスを10月から本格化する。6月に厚生労働省医薬・生活衛生局医薬品審査管理課および医薬安全対策課から発出された事務連絡「医薬品安全性監視における医療情報データベースの活用とその事例」により取り組みが推奨されたことから、今後需要が高まると見て、サービス化した。同社はこれまでもレセプト等のRWDを活用した調査・研究の受託実績がある。そこで培った調査設計などのノウハウ・経験を生かし、需要に応えるサービスにしたい考え。

図

 事務連絡では、医療情報データベースを活用した検討事項として三つが挙げられている。

 同社はそのうち、▽安全性シグナルに関する検討▽リスク最小化活動に関する検討――が現行の安全管理に直結しており、安全性定期報告等の作成時やRMPの定期見直しで活用が期待できると考え、サービスを始めることにした。

 従来手法の医療機関等からの自発報告、使用成績調査からの安全性情報に基づく検討だけではなく、RWDを活用することで、より使用実態に即した安全性に関する情報を得ることができる。

 安全性シグナルの検討では、▽医薬品と未知の事象に関する確認(シグナル検出)▽特定の事象に関し医薬品との関連性を検討する探索的な確認(シグナル強化)▽特定の事象について患者背景などを調整した対照群を設定し、事象の発現割合等の定量的かつ精度の高い評価(シグナル検証)――が提唱されており、この活動で医薬品のリスクを早期に発見しその特性を把握することが可能と考えている。

 リスク最小化活動に関する検討では、▽安全対策措置(緊急安全性情報、安全性速報の発出等)の効果の評価▽実施中のリスク最小化活動の効果(定期的な検査の実施状況、処方量の減量等)の評価▽実施すべきリスク最小化活動の内容に関する確認――にRWDを活用し、実臨床下での治療実態を考慮した上で、安全対策の継続や追加の対策の要否に関する検討に生かすことができるとしている。

 同社は、かねてから安全性管理活動に対するフルサポートをうたい、事業を展開してきている。RMPを基軸とし、製品特性の理解に基づいて、治験から製造販売後までの一貫した市販後安全対策をサポートできる体制を強みとしている。

 医師、薬剤師など資格職をはじめとする経験豊富なスタッフによる国内最大規模の体制で、120社以上から委託を受け、開発から市販後までの製品のライフサイクルに即した幅広い安全性関連サービスを提供している。

 そこに今回、さらに新たなサービスメニューが加わる。

 リアルワールドエビデンス事業本部安全性情報センターの原清人シニアコンサルタントは、「私たちは価値あるソリューションの提供をうたっている。RWDを活用することで使用実態に近いデータを創出し、製薬企業へ提供することで、患者さんがより安全に医薬品治療を受けられる体制構築に貢献していきたい」と、新サービスのビジョンを語る。

イーピーエス
https://www.eps.co.jp/



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