米FDAが活動性潰瘍性大腸炎の治療にVelsipityを承認

2023年10月25日 (水)

Photo Credit: Adobe Stock

 米食品医薬品局(FDA)は10月12日、中等症から重症の活動性の潰瘍性大腸炎(ulcerative colitis;UC)の成人患者向けの治療薬として、スフィンゴシン-1-リン酸(S1P)受容体調節薬のVelsipity(一般名エトラシモド)を承認したことを発表した。推奨用量は2mgで、1日1回、経口投与する。

 米国でのUC患者数は約125万人に上る。UCの主な症状は、血液と粘液が混じった慢性の下痢、腹痛、便意切迫感などだが、症状が慢性的である上に予測不能でもあるため、身体的な側面だけでなく、生活の他の側面にも影響を及ぼし得る。

 Velsipityの承認は、1種類以上の従来の薬剤や生物学的製剤、ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害薬による治療が無効または不耐容であったUC患者を対象としたELEVATE UC第3相登録試験プログラム(ELEVATE UC 52およびELEVATE UC 12)の結果に基づいている。ELEVATE UC 52で臨床的寛解を達成した患者の割合は、治療開始から12週目ではVelsipity投与群で27.0%、プラセボ投与群では7.0%(P<0.001)、52週目では同順で、32.0%と7.0%(P<0.001)といずれもプラセボ群を上回っていた。また、ELEVATE UC 12でも、臨床的寛解を達成した患者の割合は、Velsipity投与群での26.0%に対してプラセボ投与群では15.0%(P<0.05)であり、前者では、12週目に内視鏡的改善と粘膜治癒を含む、有効性に関する主要な全ての副次評価項目が達成された。

 安全性に関しては、これまでの臨床試験で確認された内容と一致しており、最もよく生じた副作用(発現率が5%以上)は、頭痛、肝機能検査値の上昇、めまいであった。

 Velsipityを開発したファイザー社で最高コマーシャル責任者兼グローバルバイオ医薬品事業プレジデントを務めるAngela Hwang氏は、「中等症から重症の活動性UCの成人患者は、良好なベネフィット・リスク・プロファイルを有し、1日1回の経口投与で済むVelsipityを使用することで、ステロイドを使用せずに寛解を得ることができる」と述べている。

 Velsipityの承認は、ファイザー社に対して付与された。(HealthDay News 2023年10月17日)

Source
https://consumer.healthday.com/fda-approves-velsipity-for-moderate-to-severe-ulcerative-colitis-in-adults-2665974787.html

More Information
https://www.fda.gov/drugs/new-drugs-fda-cders-new-molecular-entities-and-new-therapeutic-biological-products/novel-drug-approvals-2023

https://www.pfizer.com/news/press-release/press-release-detail/us-fda-approves-pfizers-velsipitytm-adults-moderately


healthday-logo
Copyright (C) 2024 HealthDay. All rights reserved.
※掲載記事の無断転用を禁じます。

‐AD‐

同じカテゴリーの新着記事

薬剤師 求人・薬剤師 転職・薬剤師 募集はグッピー
HEADLINE NEWS
ヘルスデーニュース‐FDA関連‐
新薬・新製品情報
人事・組織
無季言
社説
企画
訃報
寄稿
新着記事
年月別 全記事一覧
アカウント・RSS
RSSRSS
お知らせ
薬学生向け情報
書籍・電子メディア
書籍 訂正・追加情報
製品・サービス等
薬事日報 NEWSmart
「剤形写真」「患者服薬指導説明文」データライセンス販売
FINE PHOTO DI/FINE PHOTO DI PLUS
新聞速効活用術