◆「能登のことを忘れないで」――。地元のある医療従事者は講演をこう締め括った。この言葉の背景を聞き、暗い気持ちになった
◆能登半島地震から日が経つにつれ記事は少なくなり、枠も小さくなっている。医療従事者が記者にそう指摘した時、その記者の口をついて出たのが「二百数十人の死者ですからね」だったという。報道されるにはより多くの死者が必要と受け取られかねない言い方である
◆暗い気持ちになったのは、以前に眼前で聞いた言葉と重なったからだ。2002年から03年にかけて流行したSARSの取材。流行初期、専門家会議の終了を待っていた時、前に並んでいた記者が「1人くらい死んでくれたら(記事が)流れるのになあ」とぼやいた。こんなことを言う記者はこの2人だけだと思いたいが、死傷をめぐる記事には大小があることも頭をよぎる
◆能登半島地震から2カ月。家屋倒壊は7万棟、避難者は1万人を超える。半島北部の多くで水道は復旧していない。能登のことを忘れない。できる支援をしていきたい。
「能登のことを忘れないで」
2024年03月06日 (水)
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