新たに内服剤市場に参入‐フィルム製剤の生産も開始

兵庫工場
ダイヤ製薬は、Dynamic Ideas & Activities(大胆な発想と果敢な行動力)の頭文字を社名にしており、冷却シートやフェイスマスク、立体マスクなど「ないモノは創る」というスピリッツで、既成概念にとらわれずポジティブに挑戦していく研究開発型の企業である。1948年の創業以来、人々の健康で美しくありたいという願いに応え、医薬品を中心に独自の製品を研究開発している。
同社は、83年に水溶性高分子技術SOLinGELの開発に成功し、医薬品業界に先駆けて、経皮吸収タイプの貼付剤を創出。新しい市場を開拓した。この技術は、耐熱性・保形性を持つGEL剤と薬物放出性に優れたSOL剤をバランス良く融和させ、これまでの貼付剤とは全く異なる水溶性高分子技術によりDDSに進歩をもたらした。
製造面では、99年に兵庫工場(兵庫県丹波市)、2002年には奈良工場(奈良県高市郡)を開設し、医薬品(外用剤、液剤)の生産体制を強化。最新のGMP基準に準拠した厳重な製造管理と品質管理のもと、パップ剤や外用液剤、クリーム剤、軟膏剤などのOTC医薬品や医薬部外品をクラス10万のクリーンな環境で製造している。
冷却シートについては、ISO13485の認証を受け、海外に向けて医療機器として製造販売を行っている。
さらに、中小企業等事業再構築促進補助金を活用し、DDSの一つとしてフィルム製剤の研究開発に取り組み、新たにフィルム製剤の生産設備を導入した。フィルム製剤は、DDSの一つとして薄膜で崩壊性が高く、嚥下困難者や寝たきりの患者も服用ができ、QOL向上や服用しやすさにも寄与することが期待されている。
同時に生薬配合の胃散をはじめとする散剤の生産設備も導入し、同社にとって内服剤という新しい分野へ参入した。24年度から本格的な生産を開始する。
また、ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金を活用し、小ロット生産向けの膜乳化設備も導入。リポソームをはじめとするマイクロナノ粒子やマイクロ球形粒子等の開発、生産にも着手した。
今後も同社は、単なる研究開発にとどまらず、社会に役立つ製品を提供できる企業を目指している。
ダイヤ製薬
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