高品質なドロップ剤技術‐特徴ある剤形や製品を創造

明日香工場
万葉のふるさと明日香村(奈良県高市郡)は、大陸から仏教と共に漢方医薬がいち早く伝来したという歴史的背景を持っており、これをもとに薬草栽培や奈良の配置薬産業が育ってきた。高市製薬は1922年にこの地で創業し、以来100年以上にわたり信頼と実績を築き、操業を続けている。主に医薬品・医薬部外品ドロップ剤製造のナンバーワン企業として、共同開発・受託製造等の取り組みを積極的に行っており、特徴ある剤形、製品を創造する特化型の企業だ。
同社は開発指向型による処方設計、一貫製造・OEM製造に対応できる製造設備の充実や管理体制の強化に努めており、中でも70年以上の実績があるドロップ剤の製剤技術は、品質・シェアともに業界トップクラスの評価を受けている。
ドロップ剤は苦味などのマスキングにも優れており、既存医薬品の服用性改良に期待できるほか、ドロップ剤の製剤技術を生かし、のど飴だけにとどまらずに水なしで服用できるチュアブル剤を開発。日本で初めてその医薬品承認許可を取得した。その後、この新剤形は、使いやすさや優位性により様々な薬効群にも対応し、製剤技術が同社の特殊技術として広まっている。
また、同社が取り組んだ新しいドロップ基剤イソマルは、夏場高温多湿となる日本で防湿性に優れ、非蝕性でむし歯の原因にならず、ノンシュガー100%の低カロリー基剤で急激に血糖値を上げない。医薬品として日本で唯一製剤化に成功し、20年の実績を誇る。この研究開発製造技術は、高く評価されており、現在では口腔用薬にとどまらず、幅広い薬効群や服用方法の分野で注目されている。
昨年5月に新型コロナウイルス感染症が第5類へと移行し、収束を見せる一方、インフルエンザ、咽頭結膜熱などの流行への懸念から喉のケアに対して需要が増大。それに伴い、ドロップ剤の依頼が増加傾向にあるという。
同社の開発技術力は今後の高齢化社会を視野に入れた医薬品開発のパートナーとして期待が高まっており、大手企業から引き合いがあるほか、各方面から新製品の共同開発や販売提携につながっている。同社は今後も、新しい製剤技術開発で「美味しい、服用しやすい、使いやすい」の付加価値を高めた製品創りを積極的に展開していく。
高市製薬
http://www.takaichi.co.jp/