オーガナイザー
中川晋作(阪大院薬)
長野一也(和医大薬)
超高齢社会を迎えた現在、健康寿命を延伸させる方策として、疾患に罹患することを予防し、健康を維持させる未病制御に注目が集まっている。薬学は、ヒトの健康確保を考究する生命科学であり、創薬研究のみならず、食品や化粧品、環境を含め、安全安心の確保を総合的に担う学問である。われわれは薬食同源の観点から、日常から口にできる保健機能食品に着目している。ヒトの健康維持を念頭に、次世代保健機能食品の開発に当たっては、多種多様な機能性関与成分の中から有用な成分を選択し、その成分が有する機能の作用メカニズムを明らかにしなければならない。また同時に、その成分の有用性ならびに体内動態を含めたADMET解析を通じて、安全性を担保していく必要があり、これらを達成するためには、薬学の範疇を超えた学際研究が重要である。
本シンポジウムでは、次世代保健機能食品開発に関して農学ならびに薬学領域における最新の研究成果を紹介し、今後の開発のあり方などについて、議論を深めたい。
(中川晋作)