オーガナイザー
竹内正義(金沢医大総合医学研)
郡山恵樹(鈴鹿医療大院薬)
私たちの体の中では、糖が蛋白質に結合することによって様々な終末糖化産物(advanced glycation end-products:AGEs)が生成されている。特にブドウ糖や果糖の中間代謝物である三単糖のグリセルアルデヒドから生成されるAGEsは、他の糖により生成されるAGEsと異なり、非常に強い細胞障害特性を示すことから「Toxic-AGEs(TAGE)」と命名されている。
本シンポジウムでは、このTAGEを共通キーワードとして、それが肝障害や認知症、動脈硬化、消化器疾患の発症原因となっている可能性について、最新の研究データと共に紹介する。また、TAGEの影響を抑えることが生活習慣病の予防や治療戦略に役立つと共に、TAGEそのものが各種疾患の新規バイオマーカーとなる可能性についても触れる予定である。「TAGE原因説」の概念が、多くの疾患の研究に新たな展望を開くことを期待する。
(竹内正義)