オーガナイザー
松崎勝巳(京大院薬)
大高章(徳島大薬)
薬物標的である蛋白質の構造・機能の解明は、生命現象の理解のみならず、創薬研究にとっても重要である。蛋白質研究には、遺伝子組み換えや化学合成による目的蛋白質の大量調製、部位特異的な化学修飾が基本技術となる。さらに膜蛋白質の場合には、可溶化と安定化技術がカギとなる。また、膜蛋白質の研究で重要なin-cell解析のためには、in vitroで調製した修飾蛋白質を細胞膜に戻す手法が威力を発揮する。
本シンポジウムでは、▽多糖高分子を利用した安価で高効率な蛋白質精製法▽人工蛋白質創製に向けたペプチド化学修飾法▽難易度の高い膜蛋白質の化学合成▽ナノディスクを利用して膜蛋白質を細胞膜へ送達する技術▽膜蛋白質の安定なハンドリングを可能にし、膜蛋白質の構造・機能解析を容易にする新規可溶化剤の開発――といった最新の化学的方法について発表・討論し、蛋白質研究の一層の発展に貢献したい。
(松崎勝巳)