日医工は11日、化学品商社の三谷産業とジェネリック医薬品(GE薬)原体の製造合弁会社「アクティブファーマ」を設立すると発表した。高純度な医薬品原体を製造し、中期経営計画「Honeycomb2012」に掲げた「超品質」確立への取り組みを具体化する。同日、都内で記者会見した田村友一社長は「原体の品質が医療機関にとってGEメーカーの選定基準になりつつある」と指摘。「品質に関する医療機関の信頼を得るため、自ら純度の高い原薬を合成・精製して要望に応えていきたい」と語った。
日医工は、新中計で高品質を超えた品質基準「超品質」の確立を挑戦の一つに掲げていたが、医療機関の信頼を得るためには、高純度な医薬品原体を用いたGE薬の製造、安定供給が不可欠と判断。医薬品原薬製造メーカーの相模化成工業(町田市)を子会社に持つ三谷産業と提携し、GE薬原体の製造合弁会社を設立することで基本合意した。既に日医工と相模化成は原体の供給で取引がある。
田村氏は「敢えて合弁会社を設立したのは、相模化成の原体合成・精製技術と融合させ、将来的に海外でコスト勝負できる製品力と技術力を確立するため」と背景を説明。世界トップ10入りへの戦略の一環として、原体を通じたグローバル化を目指す方向性を示した。
新会社は6月上旬をメドに、三谷産業51%、日医工49%の出資比率で設立した後、相模化成を100%子会社化し、日医工の原体合成機能を順次、新会社に移管する。5年以内に約20~30億円を投じて、滑川工場の敷地内に原体製造の新工場を建設する計画だが、当面は日医工が相模化成に設備投資を行い、原体製造能力を1・5倍に拡大して対応する。
田村氏は「全てのGE薬の原体をアクティブファーマから調達するのは不可能」と指摘。「まず日医工の大型製品の原体を最優先で合成、精製し、将来的には製品全体の3分の1程度の原体を調達していきたい」と語った。
その上で、「超品質を確立するためには、高純度な原料を用いなければ実現できない」と強調。「最近、医療機関からは原体の入手、履歴に対する問い合わせが非常に多く、それがGEメーカーの選定基準になりつつある。高純度な原体製造工場を立ち上げることで、医療機関の品質への要望に応えていきたい」と語った。