ペプチドリーム子会社のPDRファーマは、特殊環状ペプチドと放射線核種を結合した新たなモダリティ「ペプチド-放射線核種複合体」の開発を進め、最速で2030年には自社品第1号製品の上市を目指す。炭酸脱水酵素ファミリーの一つであるCA9をターゲットとする癌放射性医薬候補品「PD-32766」は、腎細胞癌患者を対象にプロジェクト開始からわずか2年で最初の患者に治験薬を投与する「ファースト・イン・ヒューマン試験」(FIH試験)の開始にこぎつけた。ごく微量の薬剤を投与するマイクロドーズ試験で、いわゆる“フェーズ0”の位置づけとされている。同一のペプチドを用いた診断薬・治療薬の同時開発(セラノスティクス)を目指し、来年中にも第I相試験を開始する計画だ。
7月にPDRファーマ社長に就任した村上雅人氏は本紙の取材に対し、「技術革新が進み、診断用核種と治療用核種のセラノスティクスが実現できるようになっている。核種を変えることで一つのコンパウンドで診断と治療を一つの試験で進めていける」と放射線医薬品事業の拡大に意欲を示す。
* 全文閲覧には 薬事日報 電子版 » への申込みが必要です。