厚生労働省の伊原和人事務次官は8日に都内で講演し、2025年度薬価中間年改定について、「乖離率が大きな医薬品の保険料を見直さないまま1年を過ごした分が保険料に転嫁され、国民の理解が得られるか」と述べ、製薬業界が求める中間年薬価改定の中止に慎重な考えを示した。また、インフレ下における薬価制度のあり方についても「現行の薬価制度をベースとしつつ、インフレや流通上の不可解な取引への解決策を見つけていくことが現実的」と述べた。
25年度改定をめぐっては、医薬品の供給不安や物価上昇、流通改善の停滞等の影響を踏まえ、製薬業界から中止を求める声も上がっている。こうした中、伊原氏は「創薬力強化は重要課題で、後発品業界では価格が厳しい品目もあり、薬価が低下するルール、創薬、安定供給等について、年末に向けて議員と考えながら答えを出していく」としつつ、「現役世代の保険料水準が上がらないようにすることが大事だ。薬価調査の際に乖離率の大きな医薬品があった場合、保険料を見直さないまま1年を過ごすとその分が転嫁されてしまい、国民の理解が得られるのかが課題」と述べ、中間年改定を中止した場合に保険料負担などに与える影響を危惧した。
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