島津製作所は18日、神戸市中央区の神戸医療産業都市に「島津製作所 バイオものづくり神戸事業所」を開所させた。同事業所では、二酸化炭素(CO2)からバイオプラスチックを生産できる有用微生物を、迅速に開発することを目指している。
同社は2023年度から、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)による「グリーンイノベーション基金事業/バイオものづくり技術によるCO2を直接原料としたカーボンリサイクル推進」の一つのプロジェクト「CO2からの微生物による直接ポリマー合成技術開発」にカネカ、日揮ホールディングス、バッカス・バイオイノメーションと共に取り組んでいる。
同プロジェクトで実現を目指す「バイオものづくり」では、水素酸化細菌がCO2を原料としてガス発酵を行い、ポリマーを生産、体内に蓄積する。蓄積したポリマーは抽出してバイオプラスチックに加工する。
事業所には、高速液体クロマトグラフ「Nexera」、ガスクロマトグラフ「GC-2030」、MALDI型質量分析計「MALDI-8030」、液体クロマトグラフ質量分析計「LCMS-8060NX」、全有機炭素計「TOC」などの設備を有し、島津の技術者が数人駐在する。
なお、島津とカネカ、日揮、バッカス・バイオの4社は共同で、今年の日本国際博覧会(大阪・関西万博)の日本政府館において、水素酸化細菌の活用事例について展示する予定。