フィリップス・ジャパンは28日、AI技術を採用し循環器の機能を強化したポータブル型超音波診断装置「Compact 5000シリーズ 2.0」を発売した。
新生児や小児、そして体位変換が困難な患者などが多いベッドサイドでの超音波検査においても、迅速でよりよい検査を実施することが求められている。
Compact 5000シリーズ超音波診断装置は画質や機能を犠牲にすることなく、ポータブル性を実現を追求して設計されている。発売以来、腹部、表在、血管、整形など多くの領域で使用されているが、今回、循環器に関する機能の拡充を図り、心エコーにおける効率化と再現性の向上を実現している。
同シリーズの主な特長は、据え置き型超音波診断装置EPIQ/Affinitiに搭載されている循環器の自動計測や解析機能である「Auto Measure」と「AutoStrain LV」が搭載されていること。
「Auto Measure」は、ルーチンで計測されている多くの項目がAI技術によって自動化されており、マニュアルでの計測と比較して最大51%の時間短縮が可能であることが報告されている。また、「AutoStrain LV」は、左室ストレイン解析をワンボタンで実施できるほか、Simpson’s法による駆出率(EF)の自動算出にも対応している。これらの自動化機能によって、ポータブルでありながら迅速で効率的な検査が実施できる。
また同シリーズは、経食道トランスジューサX7-2tおよびX8-2tによる3D検査を実現している。ハイエンド装置とも互換性のあるこれらのトランスジューサが使用可能で、コンパクト装置での3Dイメージングと、3D画像を使用した僧帽弁の自動解析機能「3D Auto MV」も使用できる。限られたスペースで、正確なイメージングが必要とされる手術室やカテーテル治療などの場面で役立つことが期待される。
さらに、新生児を含む小児の心臓または頭部の検査で使用可能な、4-12MHzの周波数帯域をカバーするS12-4セクタトランスジューサに対応している。NICUなどポータブル性が重要視される検査で同シリーズが活用できる。