厚生労働省は2日、薬事審議会医療機器・体外診断薬部会を開き、持田製薬の吸収性軟骨再生用材料「軟骨修復材 モチジェル」など3製品の製造販売承認等について審議し、了承した。
▽軟骨修復材 モチジェル(一般的名称・吸収性軟骨再生用材料、持田製薬):膝の3センチ以下又は肘の1.5センチ以下の軟骨欠損面積を有する関節軟骨損傷(外傷性軟骨欠損症又は離断性骨軟骨炎。ただし、変形性関節症を除く)の修復の補助及び修復された軟骨による臨床症状の緩和を目的としたもの。
主な既存治療として、軟骨損傷部の骨に微細な穴を作成し、骨髄間葉系細胞を滲出させて軟骨の再生を促進する「骨髄刺激法」などが行われているが、軟骨修復の足場がないために十分に修復されないことや、修復される軟骨が耐久性の低い線維軟骨となるなどの課題があった。同製品は、アルギン酸ナトリウムと塩化カルシウムの反応でゲルを形成し、骨髄間葉系幹細胞が軟骨へ分化するのに適した足場となるよう開発された。医療機器のクラス分類はIV。
▽Esprit BTK エベロリムス溶出生体吸収性スキャフォールド(薬剤溶出型吸収性下肢動脈用ステント、アボットメディカルジャパン):包括的高度慢性下肢虚血疾患患者(慢性透析患者を除く)における、対照血管径が2.5mm以上4.0mm以下の膝下動脈病変に対する血管内腔径の改善を目的としたもの。主な治療法として、バルーンカテーテルが用いられているが、長期的な血管開存率の低さが課題。生体吸収性薬剤溶出型スキャフォールドとして開発された同製品は、エベロリムスの効果で再狭窄を抑制し、血管内腔径の改善が期待できる。医療機器のクラス分類はIV。
▽TriClip システム(経皮的三尖弁接合不全修復システム、アボットメディカルジャパン):経カテーテル的に三尖弁閉鎖不全症(TR)を治療することを目的としたもの。TRは右心室から右心房への血液逆流により、腹水や浮腫などを引き起こす疾患で、薬物療法が主流だが、患者管理が難しく外科手術のリスクも高いため、カテーテルで三尖弁を接合し逆流を軽減する新たな治療法として開発された。医療機器のクラス分類はIV。青山
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