第一三共は24日(現地時間)、インド子会社「ランバクシー・ラボラトリーズ」の創業家一族で、社長兼CEO(最高経営責任者)のマルビンダ・シン氏が退任し、アツル・ソプティCOO(最高執行責任者)が新社長兼CEOに昇格するトップ人事を発表した。取締役会議長には、第一三共の采孟取締役が就任し、申請データを改ざんした米FDA問題を抱えるランバクシーの経営再建を第一三共が主導する布陣となった。
新CEOに就任するソプティ氏は、ホンダの現地合弁会社を経て、2005年にランバクシーに入社。07年にCOOに就任していた。また現在、FDA問題の対策チームリーダーを務めている。采氏は昨年12月から取締役としてランバクシーの経営に参画していたが、新体制では采氏とソプティ氏を中心に、第一三共が経営を主導していくことになる。ただ、今回のトップ人事に伴う役員の追加などは行われない。
第一三共は、ランバクシーの申請データ改ざん問題が発覚して以降も、インドの上場企業として独立性を重視してきたが、13日の決算説明会で庄田隆社長は「ランバクシーの品質保証制度を確立し、問題を解決するためには、第一三共が大きな関与をしなければ解決できない」との考えを示していた。