薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会は25日、カルムスチン脳内留置用製剤(申請者:ノーベルファーマ)をオーファンドラッグに指定することを審議・了承した。また、サレドカプセルに50mg製剤を追加、アムビゾーム点滴静注用50mgの用法・用量等に新たに真菌属を追加することなどが報告された。
オーファン指定を受けたカルムスチン脳内留置用製剤は、脳腫瘍のうち、グリア細胞から原発生し、WHOグレード分類がIIIまたはIVのもので、対象となる国内患者数は約3000人と推計されている。
1996年9月、米国で初めて承認され、既に欧米20カ国以上で承認を得ているニトロソウレア系抗悪性腫瘍薬のウェハス状の徐放性製剤。外科手術により腫瘍を除去した後に、正常神経組織に浸潤した残存腫瘍細胞に対する作用を目的として、切除腔に留置するもの。
既存の術後の全身化学療法や放射線療法は、術後2~4週間は回復期間として施行できず、その間に同製剤を作用させる。全身性副作用も少なく、その後の放射線療法等との併用もできる。
また部会では、サリドマイドの50mg製剤「サレドカプセル50」(藤本製薬が製造販売)が、既存の100mg製剤に追加されることが報告された。安全対策上、迅速審査が行われたもの。これまで1日1回100mgを就寝前に経口投与し、状態によって適宜減量することとされ、減量に際しては薬剤師が脱カプセルし調整することが必要だったが、暴露の可能性が指摘されていた。
50mg製剤の追加により用量調節が簡便になると共に、調剤上も安全性が高まると期待される。再審査期間は残余期間の2018年10月15日まで。
また、アムビゾーム点滴静注用50mg(大日本住友製薬が製造販売、成分名はアムホテリシンB)が今回、公知申請により、効能・効果の真菌感染症の対象菌種にムーコル属、アブシジア属、リゾプス属などを追加したほか、リーシュマニア症も追加した。世界46カ国で既に承認されている。再審査期間は残余期間がある2010年4月19日まで。