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【薬局業務の効率化と質的向上を目指して】長岡京ゆう薬局(C.Medical)

2025年07月30日 (水)

服薬情報提供書の作成機能を追加‐医療機関との連携強化へ

 京都府長岡京市にある長岡京ゆう薬局は、皮膚科と整形外科クリニックを中心に外来患者の院外処方箋を応需しつつ、在宅訪問クリニックと連携して在宅医療にも注力している。外来・在宅訪問業務ともに欠かせないのがC.Medicalが開発したクラウド薬歴「コネクトレポート」である。5月にトレーシングレポート(服薬情報提供書)の作成機能が新たに搭載され、トレーシングレポートの作成時間が大幅に短縮されたことで、患者対応や医療機関との連携を強化していく。

長岡京ゆう薬局

長岡京ゆう薬局

右から四方氏、西村氏、一般職スタッフ

右から四方氏、西村氏、一般職スタッフ

 長岡京ゆう薬局は、JR長岡京駅から南西に徒歩約8分の道路沿いに立地する。隣接する皮膚科クリニックと、近くの整形外科クリニックを中心に月3800~4000枚ほどの処方箋を応需。店内では皮膚科医師が推奨する低刺激の化粧品なども販売している。

 2019年3月に近隣の薬局2店舗を統合する形で開設し、現在は薬剤師9人、医療事務員8人体制で運営している。

 同店では月に1度、待合室で地域住民の健康増進を目的にピアノやフルートなどの演奏に乗せて合唱する「うたごえサロン」というイベントを開催している。薬局に通う患者以外も参加でき、毎回20人ほどの地域住民が集う。

 地域住民との関係構築を深める同店は、在宅医療にも注力している。24年7月に店舗の近くで在宅訪問クリニックが開設し、クリニックの患者も受け持つようになり、それまで月に10回程度だった在宅訪問の回数が、現在は約40回まで増えている。

「うたごえサロン」の様子

「うたごえサロン」の様子

 訪問先では薬剤師がコネクトレポートを活用して薬歴の確認や入力を行う。コネクトレポートはレセコンから患者情報や処方情報を吸い上げて、クラウド上の電子薬歴として機能するもので、タブレットやノートパソコンでいつでもどこでも閲覧できる。

 同店では在宅医療を受け持つに当たって、まず医師の訪問診療に同行して患者の状況や治療方針を把握するようにしているが、コネクトレポートがきっかけで、治療方針の決定に貢献できた例があるという。

 患者が過去に別のクリニックを受診していたことを医師が把握しておらず、過去の薬歴を共有したことで、その情報を加味して治療方針を決定できたのだ。

 同店管理薬剤師の西村夏紀氏は、「外来の情報も含めて、訪問先で薬歴を確認できるのは非常に効果が大きい」と語る。

 コネクトレポートは在宅訪問と外来業務で使い分けできる。開発・改良には薬剤師が携わっており、実際に各現場で使用する薬剤師目線で機能が搭載・拡充されている点が特徴だ。

現場の声反映し更新も迅速

 外来業務向けでは、5月にトレーシングレポートの作成機能が追加された。「服薬情報提供書」や「重複投薬等に係る報告書」など7種類のひな形から一つを選ぶと、登録済みの薬歴情報をもとに、患者の名前や生年月日、受診している医療機関名や医師名などの情報が記載されたトレーシングレポートが自動で作成される。薬剤師はコメントや処方提案を追記するだけで済むため、作成時間を大幅に短縮できる。西村氏は「トレーシングレポートの作成時間が半減した」と話す。同店ではこれまでエクセルを使ってトレーシングレポートを記入していたが、エクセルソフトが入っているパソコンの台数が限られているため、パソコンの順番待ちになることも多かった。それがなくなったという。

今年5月にトレーシングレポートの作成機能が追加された

今年5月にトレーシングレポートの作成機能が追加された

 トレーシングレポートの作成時間が短縮されたため、今後は患者のより良い薬物療法の実施に向けて医療機関との連携を強化していく構え。西村氏は「(薬物療法について)医師に相談しにくいことでも、薬剤師には言える場合もある。トレーシングレポートで事前に患者さんの思いを医師に伝えることで、患者さんが医師に相談するきっかけを作りたい」と語る。

 同店では21年2月にコネクトレポートを導入したが、続々と機能が拡充されて、年々使いやすさが増しているという。

 昨年には医師やケアマネージャー、訪問看護師ら多職種への報告書送信を効率化する機能が搭載された。画面上でボタンを押すだけで、登録先のFAXに報告書を送信できるようになった。一旦、報告書を紙にプリントアウトしてFAXで送信する手間がなくなった。

 コネクトレポートには、在宅訪問時に記載した薬歴の内容を自動的に報告書形式にまとめる機能が備わっているが、新機能が加わったことで、現場でタブレットを操作して要点を入力すればその場ですぐ報告書が送信できるようになった。FAXは月初や月末、曜日を指定して送信予約も設定できる上、送信履歴も残るので管理しやすい。

 ほかにも、処方箋に記載されている検査値をもとに薬の服用が適切かを自動判断する機能が加わった。

 在宅訪問においては、各薬剤師の訪問予定を一覧で確認できる機能があることで、現場でスケジュールの組み立てがしやすくなった。外来対応や社用車の利用状況なども考慮しながら、その場で次回の訪問日時を考えることができる。

 同薬局を受け持つゆうホールディングス取締役の四方勝教氏は、コネクトレポートについて「現場の声を反映して機能を拡充してくれている。機能の更新スピードも早い。必要な機能を精査して搭載しているため、価格も抑えられていると感じている」と感想を述べる。西村氏も「コネクトレポートを使いこなして、在宅訪問の対応力も上げていきたい」と先を見据える。

長岡京ゆう薬局(C.Medical)
https://www.c-medi.co.jp/connectreport/index.html



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