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【薬局業務の効率化と質的向上を目指して】金太郎薬局伏見店(アクシス)

2025年07月30日 (水)

薬歴入力時間、大幅に短縮‐操作性妨げない高速化技術

 金太郎薬局の屋号で、京都府など関西エリアで8軒の薬局を展開するメタルファーマシー(川野義光社長)は、3月に電子薬歴システムをクラウド型の「Medixs:メディクス」(アクシス製)への切り替えを決定した。在宅医療など薬局外でも使える持ち運び可能な薬歴システムで、薬歴入力時間を大幅に短縮しているのが大きな特徴。在宅医療に注力している同社は、本社機能を備える金太郎薬局伏見店(京都市伏見区)からシステム導入を開始し、薬剤師業務の効率化に向けて段階的に全店舗に広げていく考えだ。

金太郎薬局伏見店

金太郎薬局伏見店

 金太郎薬局伏見店は、近鉄伏見駅から徒歩5分ほどの閑静な住宅地に立地する。川野氏が事業承継する形で始めた薬局で、メタルファーマシーの第1号店でもある。伏見店自体は「もともと近隣にあった総合病院の処方箋応需を中心に、地域に根ざした、かかりつけ薬局の役割を担っていた」と川野氏は説明する。現在、月間の処方箋応需枚数は800~900枚。半数近くは近隣内科からの処方箋だが、それ以外は面処方が多くを占める。

 同社は「地域の顔になる」を合言葉に、地域住民に頼られる存在となる薬局の運営を目指している。数年前から高齢者向けに健康を意識した手作り弁当の販売事業を開始し、地域住民とのつながりを深める活動を展開している。そうした中で、個人宅のケアマネージャーから患者の服薬管理を依頼されるケースも増え、現在は近隣を中心に40~50の個人宅の在宅医療にも取り組んでいる。伏見店以外にも在宅医療特化型(処方箋の98%)の薬局もオープンした。

川野氏

川野氏

 川野氏は在宅医療や薬歴作成などの薬剤師業務の効率化を模索する中で、既存の電子薬歴システムを入れ替え、メディクスの導入を決断した。

 その理由について「業務ランニングコストの低減につながるということが一番大きかった」と説明する。また、「システム自体の入力内容の読み込みが速く、業務的なストレスが軽減できた」ことも強調する。

 従来の電子薬歴は薬歴データの蓄積で動作が遅くなり、検索などに時間を要していたが、メディクスはパソコンにデータが蓄積されず、マシンスペックに左右されにくい設計のため、操作レスポンスが低下しない高速化技術を取り入れていることも大きなメリットという。

 専用端末ではなくタブレットで使用可能な点も高く評価する。「在宅医療の現場に赴く際の荷物も従来のノートパソコンをタブレット端末に変更することで軽量化が図れる」という。クラウド型のためインターネット環境があれば時間や場所を選ばず、薬歴の入力や参照が可能。また、入力中の薬歴データを一時的に仮保存しておけば、あとから追加入力や内容の再確認ができるのも特徴の一つとなっている。

 川野氏は「医師の訪問診療に同行するケースも多く、その場では迅速な情報提供が求められる。メディクスは服薬指導内容や薬歴など必要な情報も1画面に凝縮されているため、医師からの質問に対して、必要な情報に即座にアクセスしてすぐに回答できるなど、在宅医療での薬剤師が専門性を発揮するための環境づくりに大きく寄与している」と話す。メディクスの導入により「明らかに薬剤師が情報を検索するのに必要以上に時間をかけたり、パソコンやタブレット端末へのデータ読み込みをただ待つような時間が少なくなった。そのことで業務効率化が図れている印象を受ける」と語る。

汎用性に優れたカスタマイズ

薬歴作成などの業務効率化につながっている

薬歴作成などの業務効率化につながっている

 また川野氏は、メディクスが患者ごとの情報やニーズに合わせて薬歴をカスタマイズできることを利点として挙げる。

 「SaaS(インターネットを通じてソフトウェアを利用する形態)のサービスでは、使用方法が決められているものが多かったり、カスタマイズができ過ぎたりして、どう使用していいか分からないこともあるが、メディクスは、カスタムしたい部分を簡単にできるバランスがいい」と評価する。メタルファーマシーでは薬歴作成と訪問報告書作成を自動で振り分けられるよう設定したため記載必要書類を探す手間が顕著に減った。

 また、川野氏は「算定に必要な指導内容の記入漏れ対策として、メディクスをカスタマイズすることで記載不備にはアラートを出すよう全社で統一した基準を設けている。メディクスは全員が漏れなく過不足なく薬歴記載ができることを目指せるシステム」とする。

 メディクスは複数店舗の薬歴を管理できる機能も搭載されている。店舗ごとの来局ピーク時間や地域別データなども集計可能。グループ店舗で未入力や保留の薬歴の数を集計し、見える化することも可能で、薬歴の記載漏れを未然に防ぎ、監査や指導にも役立てることができる。

 導入後のメリットについて「全体的な薬歴記載時間の短縮のほか、記載箇所に薬局独自の重要度を設定するなどのカスタマイズもでき、効率化につながっている。結果、効率化できた時間を在宅医療の新規対応に充てることができている。以前は、薬歴を書くための残業などもたくさんあったが、それも顕著に減った」と話す。既に月額のランニングコストはこれまでの半額弱になったという。

 サポート体制についても「サポートは非常に満足していて、私自身も現場で使用していて、サポートセンターに連絡すると、すぐに電話がつながり、聞きたいことを的確に回答いただける。非常に心強い」と川野氏。

 メディクスの導入に際し「薬歴は薬局の基幹システム。それを変更する意志決定は非常に難しく悩んだが、結果として業務効率化につながっているため、変更して良かったと感じている。プロダクトの良さはもちろん、アップデートは頻回で自動更新だから常に法改正に対応した状態で使える。ユーザーの声を反映していると感じられ、現場で使いやすいような設定であることが非常に分かるシステム」との感想を語る。

 今後も導入薬局が増えることで、製品をより良くするためのアイデアが集まり、より良いシステムに進化していくことに期待を寄せた。

金太郎薬局伏見店(アクシス)
https://medixs.jp/



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