明治ホールディングスは5月27日、経営統合後のグループ2009~11年中期経営計画を発表した。医薬品事業は、主力の抗菌薬・抗うつ薬・ジェネリック医薬品(GE薬)の3分野で国内3位入りを目指し、中計最終年度の11年度に売上高1450億円の達成を打ち出した。都内で開いた中期経営計画説明会で、佐藤尚忠社長は「スケールメリットを追うのではなく、3分野に特化して国内3位以内を目指す」との考えを強調した。
4月1日に誕生した明治グループの医薬品事業は、明治製菓の薬品事業に、明治乳業の経腸栄養剤「エンシュア・リキッド」などが加わったもの。中計では、主力の抗菌薬・抗うつ薬・GE薬の3分野に特化し、売上高1450億円、経常利益95億円の達成を打ち出した。
特に09年は、抗うつ薬「リフレックス」、小児用経口カルバペネム系抗菌薬「オラペネム」の2製品を新発売する予定であることから、佐藤氏は「新製品を中心に品揃えを強化し、MRも100人増員して得意の内科、耳鼻科、心療内科で、多品目を処方してもらえる医師を掘り起こしていく」との方針を語った。
また、新興国を中心に抗菌薬「メイアクト」、関節機能改善薬「アダント」の海外展開を推進する。新興市場として成長が著しい中国、インド、トルコ、メキシコ、ブラジル、ロシアの数カ国をターゲットに、重点的に販売網を拡大する方針で、佐藤氏は「世界に通用する製品を販売できる国から展開していく」と、海外展開に意欲を示した。
GE薬事業は、昨年度決算で売上高が100億円を突破したことから、中計では売上高200億円へと拡大する計画を打ち出した。今後、さらにコスト削減を図るため、インドネシア、タイ、中国などアジアの製造拠点で、GE薬の原薬・製剤を製造していく方針だ。