アミカス・セラピューティクスは8月27日、呼吸機能や筋力・身体機能の低下をもたらす遅発型ポンペ病の治療薬として、「ポムビリティ点滴静注用105mg」(一般名:シパグルコシダーゼアルファ遺伝子組み換え)と「オプフォルダカプセル65mg」(ミグルスタット)を発売した。成人を対象にした併用療法に用いる。
遺伝子組み換えヒト酸性α-グルコシダーゼ製剤であるポムビリティと経口剤であるオプフォルダの併用により、細胞内への酵素取り込み効率と標的組織への到達性の向上が見込まれる。特に筋組織において、同疾患の主要貯蔵物質であるグリコーゲンを減少させる作用が期待されている。
オプフォルダは、中性環境の血中で不活化されやすいポムビリティを安定化させ、活性を維持させた状態で血中に長くとどまることを可能にする。これにより、ポムビリティ単剤と比べて、細胞への取り込み量を増加させると考えられている。
日本人を含む第III相試験では、主要評価項目である6分間歩行について52週時点でのベースラインからの歩行距離は20.6m増加した。副次評価項目の座位努力性肺活量は投与前と比べて0.93%の減少に抑えた。
両剤の薬価は、ポムビリティが1瓶20万4251円、オプフォルダが1カプセル6038.20円。
指定難病研究班が実施した全国疫学調査によると、同疾患の国内患者数は134人と推定されている。