シスメックスは2日、日本電子株式会社(JEOL)の医用機器事業を譲り受けることを決議し、株式譲渡契約を締結した。JEOLが新たに設立する新会社(本社:東京都武蔵村山市)に医用機器事業を吸収分割の方法で承継させた上で、シスメックスが新会社の全株式を取得(子会社化)することを予定している。今後、各種手続および関係当局の承認等を条件として、2026年4月に株式譲渡の完了を予定している。
医用機器事業が有する生化学自動分析装置「BioMajesty」は、検体量の微量化・試薬使用量の低減を実現する独自技術を搭載し、日本市場において高いシェアを獲得している。
一方で、海外市場においてはOEMや販売代理店を通じた事業を展開しており、シスメックスは、10年にJEOLと売買基本契約を締結し、アジア・パシフィック地域において中型モデルを販売している。
両社がパートナーシップの深化や新興国市場での事業拡大の可能性を探る中で、シスメックスの強みであるグローバル販売・サービスネットワークを活用することが、最も事業価値を高めるとの共通認識に至った。
競争力が高く、高品質なBioMajestyの獲得は、シスメックスの33年度を最終年度とする長期経営戦略(VA33)の実現を加速し、多様な事業シナジーを創出する。これまで築いてきた試薬メーカーとのパートナーシップを発展させると共に、世界中で新たな協業の機会を広げ、製品ポートフォリオの強化を図っていく。
また、試薬ビジネスの拡大を伴う生化学・免疫検査分野での事業展開に加え、基本的なスクリーニング検査を網羅的に提供可能な製品ポートフォリオと販売・カスタマーケアの強みを活かし、グローバル市場での堅調な検査ニーズに応えていく。
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