ウィーメックスは26日、薬局業務支援の新機能「生成AIによる服薬指導提案機能」を開発しましたと発表した。この機能は、今秋からクラウド型薬歴共有サービス「Pharnes-LinkII」を導入済みの一部の提携薬局を対象に、テストマーケティングの目的でモニター提供を開始する予定。提供は、運用方法等の検証を目的とし、正式な全国展開は今後の検証結果を踏まえて判断する。
普段と異なる薬局店舗を担当する薬剤師や新卒~5年目の若手薬剤師にとって、慣れない薬剤の服薬指導は負担になりやすく、業務に時間を要する傾向がある。また、処方内容が毎月同じ患者・内容を繰り返すことによる「マンネリ化」も課題とされている。
同社は、こうした現場の声を受け、ChatGPTを実現するMicrosoftのAzure OpenAI Serviceを利用した薬局向け業務支援システム「生成AI薬歴入力支援サービス」の技術を応用し、服薬指導で患者に伝えるべき内容や注意点を自動で提案する「生成AIによる服薬指導提案機能」を開発した。
今回開発された新機能は、クラウド型薬歴共有サービス「Pharnes-LinkII」と連携し、薬剤師が服薬指導を行う際に、患者に伝えるべき内容や注意点を自動で提案するもの。これにより、服薬指導のクオリティ向上と薬局業務の効率化に寄与する。
特長しては、「患者に合わせたサジェスト内容」が挙げられる。患者の属性や提供診療情報(電子処方箋情報)、過去の薬歴、現病歴・合併症や既往歴、アレルギーなどの情報を元に、自動で服薬指導内容を提案する。
また、複数のサジェスト内容から薬剤師が状況に合わせて選択でき、選択した内容を薬歴に反映することもできる。特にピックアップする服薬指導内容については、サマリに「今回のポイント」として表示される。
なお、10月12~13日に京都市の国立京都国際会館で開催される「第58回日本薬剤師会学術大会」(https://www.c-linkage.co.jp/jpa58/)に出展する。
医療分野における生成AI活用に関しては、厚生労働省の補助を受けて設立された「医療AIプラットフォーム技術研究組合(HAIP)」が、2024年度から「医療・ヘルスケア分野における生成 AI利用ガイドライン」の策定を進めており、医療現場におけるAIの適切な活用は全国的に注目されている。
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