パラマウントベッドは22日、睡眠データをもとに女性の健康をサポートする「sleep×femtech」プロジェクトの新たな取り組みとして、働く更年期世代女性のキャリアとヘルスケアの両立を支援する活動「サイレントシフト(Silent SHIFT)」を「陽と人(ひとびと)」と共同で開始すると発表した。
「サイレントシフト」とは、更年期世代の女性が健康課題により静かにキャリアを離れていく現状に対し、企業がその変化に気づき、支援のあり方を見直すといった人的資本への取り組みを通じ、企業価値の向上につなげることを目指す活動。
その第一歩として、両社が協力企業として参画する「Silent SHIFT 実行委員会」主催による第1回カンファレンスが、経済産業省の後援を得て11月17日午後2時から、「見落としてきた人的資本の機会損失DEIとヘルスケアからひも解く人材流出 – Silent SHIFT」をテーマに、東京・日本橋の日本橋高島屋三井ビルディング日本橋ホールで開催される。参加費は無料で、定員は200人(事前登録制)
当日は、更年期世代女性2000人を対象に実施した「キャリアとヘルスケアに関する価値観調査」の最新データが公表され、そこから見えてきた、キャリア継続に対する意識や働き方の見直しといった変化を共有すると共に、企業が抱える人的資本の課題について議論を深めていく。
「キャリアとヘルスケアに関する価値観調査」は、パラマウントベッドが5月から6月にかけ実施したもので、▽約半数が不眠症状を抱えている▽昇進意欲には不眠・更年期症状が影響しているといえないが、昇進辞退には不眠・更年期症状が関連している可能性がある▽働き方の選択には不眠が、パフォーマンスには更年期症状が影響している▽「10年前、あなたは今の自分がどのように働いていると想像していましたか」に対し、喜怒哀楽の感情のうち、「悲しみ」を感じている人の割合は、他の感情に比べて1.41倍と高い傾向が見られた――といった傾向がみられており、女性が健康課題を背景にキャリア選択や継続を見直している実態が明らかとなり、企業による真の必要性を強く示唆するものとなっている。
同社は2023年から、睡眠データをもとに女性の健康をサポートする「sleep×femtech」プロジェクトを推進している。企業向けに、更年期世代の女性社員と職場を支援するサービス「Menorista.(メノリスタ)」を、陽と人と共同で開発し、これまでに複数の企業で約100人に提供してきている。
職場研修、当事者向け支援プログラム、管理職向けレポートの提供を通じ、ヘルスケアへの意識やプレゼンティーズムの向上が見られ、好意的な反応が得られているという。
一方で、サービス提供を通じて見えてきたこととして、働く女性が健康不安を抱えながらも声を上げづらく、結果としてキャリアから静かに離れていく現状があった。
パラマウントベッドは、女性の「静かな諦め」や「人的資本の沈黙」といった見えにくい課題を“サイレント”と捉え、それを変革する必要があるため“シフト”として位置づけている。こうした課題に対し、同社は企業による心身の健康支援や職場環境の整備につなげていけるよう、企業の意識変革を促す新たな取り組み「サイレントシフト」を開始することとした。
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