高市新政権と社会保障改革の行方

◆自民党と日本維新の会の連立による高市早苗新政権が発足した。薬業界にとって最大の焦点は社会保障制度改革になる。高市首相は疲弊する病院や介護施設への支援を改めて表明し、2026年度診療報酬改定を待たずに補正予算で対応が行われる可能性が高まった
◆一方の維新は社会保険料の引き下げを主張しており、OTC類似薬を含む薬剤自己負担や医療費の窓口負担の見直しなどを訴える。自民の社会保障給付維持、維新の医療費削減を伴う制度改革という真逆の政策に、どう着地点を見出すか難題を抱えたことになる
◆いずれにしても社会保障制度改革は避けられない。早速「国民会議」を立ち上げるようだが、給付と負担の議論が待ったなしの中、繰り返された国民会議の実効性には疑問もある
◆「責任ある積極財政」を掲げる高市氏とはいえ、病院や介護施設への支援を行うだけでは財政的なバランスを欠く。その見合いとしてOTC類似薬の保険適用除外の実現は十分あり得る。想定より早く医療保険制度の再構築が進むかもしれない。