
講演する沼尾
日本人は何もしないという“治療法”に耐えられない人が多い――公益財団法人がん研究会有明病院主催の報道関係者向けセミナー「前立腺がんを知る」が11月27日、東京・辰巳のインテュイティブサージカル合同会社で行われ、同病院泌尿器科医師の沼尾昇氏がこんな話をした。
前立腺がんの治療法としては「積極的監視療法」「放射線治療」「前立腺摘出」「薬物療法」があるが、リスクやQOLなどの観点から、医師と患者相談の上で治療法が選択されることになる。
このうち「積極的監視療法」というのは「何もしない」ことだという。それが日本人は苦手らしい。沼尾氏が示したスライドによれば、「経過中に積極的治療の介入になる人が多い。(PRIAS-JAPANにおけるAS継続率の検討では、1年、5年、10年継続率はそれぞれ79.3%、39.8%、17.4%。)」。この場合の「AS」とは観察のこと。つまり、1年経って「積極的治療」に踏み切る人が20%近く出てきて、それが5年になると60%近くになり、10年経つと83%程度に増えることになる。これは「日本人が非常に治療したがるというような傾向」を示しているのだという。
要因としては、日本は欧米に比べて「圧倒的に低コストで治療介入が可能で、前立腺を取る手術に関しても、米国の100分の1の費用ででき」るということもある。そして「治療自体にコストがかからないということなので、治療してしまおう」ということになるからだという。
沼尾氏は、「前立腺がんの治療というのは多少QOLを落としてしまうというところがあり、治療しなくていいんだったら治療しないという」選択もあり、「治療によってQOLを極力落とさないようにしていくのが大事」だという。

「ダビンチ」を使った前立腺がんの模擬手術を行う沼尾氏
「医療機器・化粧品」の記事に関するご意見・お問合せは下記へ。
担当者:河辺
E-mail:kawabe_s@yakuji.co.jp
TEL:03-3866-8499













