西川はこのほど、同社の「日本睡眠科学研究所」監修のもと、1万人の睡眠実態を追った「nishikawa 睡眠白書 2026」の結果を報告した。同調査結果は、9月3日の「秋の睡眠の日」にホームページ(www.nishikawa1566.com/company/laboratory/hakusyo/)で公開している。調査の結果、10代~20代の若年層で社会的時差ぼけ(ソーシャルジェットラグ)が深刻化し、高校生では70分以上のズレが生じ、月曜日の不調やパフォーマンスの低下を招いていることが分かった。
同調査は2018年から毎年発表しており、今年で9年目となる。今年度は、10代~20代のZ世代を中心に広がる「ソーシャルジェットラグ(社会的時差ボケ)」の最新動向や、厚生労働省ガイドラインに対する小~高校生の睡眠時間の未達成状況、ビジネスパーソンの睡眠負債の影響による業務ミス(ヒューマンエラー)の実態、さらに急上昇する「リカバリーウェア」等の睡眠投資トレンドを多角的に掘り下げた。
その結果、若年層の社会的時差ボケが存在することが分かった。平日の睡眠不足を休日の“寝だめ”で補おうとすることで体内時計が乱れる「社会的時差ボケ」。高校生で平均71.9分、20代で平均77.3分のズレが発生し、月曜日の不調やパフォーマンス低下の原因になっていた。
子どもの睡眠実態としては、小・中・高校生の「睡眠不足」が慢性化、高校生の約7割が厚生労働省推奨水準に届いていなかった。厚労省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」の適正睡眠時間に対し、平日に十分な睡眠時間をとれていない割合は高校生で69.5%、中学生で45.6%、小学生で43.2%に上り、成長期における生活リズムの乱れが懸念される結果となった。
ビジネスパーソンと経済損失については、成人の過半数(52.3%)が不眠傾向であり、働く人の48.1%が「睡眠不足による業務ミス」を経験していた。不眠判定方法「アテネ不眠尺度」では全体の52.3%が「不眠症の可能性あり」と判定。さらに、ビジネスパーソンの約半数が睡眠不足によるヒューマンエラー(うっかり忘れ、操作・入力ミス、居眠り等)を自覚。社内「昼寝・仮眠制度」の利用意向は41.8%に達していた。
都道府県別睡眠時間では、平均睡眠時間の第1位は「青森県(平日7時間44分/休日8時間29分)」、最下位は「鳥取県(平日6時間31分/休日7時間12分)」だった。全国平均は平日7時間8分、休日7時間47分(差約39分)。主要都市(東京・大阪・愛知)は全国平均並みの水準だった。
睡眠投資トレンドとしては、購入意向1位は「オーダーメイド枕」、急速伸長の「リカバリーパジャマ」が3位に急上昇だった。睡眠改善アイテムの購入意向では「オーダーメイド枕(27.8%)」がトップ。前年6位だった「リカバリーパジャマ(22.7%)」が3位へランクアップ。また、20代男性の過半数が「睡眠に予算をかけてよい」とし、若い世代の睡眠投資意欲が高まっていた。
社会的時差ボケ・不眠傾向‐官民による早急な対策が必要
こうした結果を受け日本睡眠科学研究所は、10~20代を中心に顕著に見られる体内時計のズレは、生体リズムの観点から非常に懸念すべき状態。「平日の睡眠不足を休日に補う」行動は、時差ボケと同様の負荷を脳と身体にかけ、週初めのパフォーマンス低下やメンタル不調の引き金となる。小中学生の約4割、高校生の約7割が推奨睡眠時間を確保できていない実態に対しては、記憶の定着や成長ホルモン分泌が不可欠な発育期の観点からも、教育・公衆衛生の両面から早急な対策が求められるとしている。
また、過半数(52.3%)が不眠傾向を抱え、働く人の約半数が誤操作や失念などの業務ミスを実感しているという結果は、睡眠負債が注意力や判断力などの認知機能を直接的に損なっている実態を裏付けている。
昼寝・仮眠制度を希望する声が4割を超えることからも、企業には「個人の努力」に頼るだけでなく、パワーナップ(戦略的仮眠)の導入をはじめとする健康経営・リスクマネジメント視点での環境整備が強く求められるとした。
さらに、今回の調査では、リカバリーウェアの需要急伸や20代男性の投資意欲の向上など、睡眠を「削るもの」から「コンディション向上のための資本」と捉え直す前向きな変化が確認された。
睡眠の質向上には、自分に合った寝具(枕・マットレス)や機能性パジャマなどの「寝環境の最適化」と共に、「正しい生体リズムの維持」を両輪で進めていくことが重要としている。
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