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ドラッグストア“人材力”強化を

2006年1月18日 (水)

 年初からドラッグストア企業トップの多くが「個人消費は間違いなく上向きになっている」ことを指摘する。暖冬という当初の予報から、一転して寒波や大雪に見舞われる地域も多く、小売業では衣料関係が好調に推移し、ドラッグストアでもかぜ関連やマスク、カイロなど冬物商材が予想以上の状況という。

 厳しい消費環境の中で、小売業としては高い成長性を維持しているドラッグストア業界。季節的な要因に左右される面も少なくなく、昨年春は花粉の大量飛散により関連商材が大きく売り上げに寄与したが、今年は飛散数が昨年の半分以下という予報のあることが当面の不安材料である。

 しかし最も懸念されるのは、大手を含めた同業間の出店競争の激化、さらに業種業態を超えた販売競争の加速だ。一段と厳しい環境の中で、今後もドラッグストア業界の再編が進行するのは想像に難くない。

 業界団体の日本チェーンドラッグストア協会(JACDS)は、これまで「2010年にドラッグストアのマーケット10兆円の実現」を掲げてきた。この目標達成に新たな要素として加わるのが、今後進められる一般用医薬品販売制度の改正である。1月前にまとまった厚生科学審議会医薬品販売制度改正検討部会の報告書では、一般薬販売における情報提供の重要性が訴えられている。同時に今以上に販売者の資質向上も求めている。

 最近では店頭販売員の専門知識充実など、人材育成のための研修に力を入れるドラッグストア企業が目立つ。既存店舗に調剤を併設する形で、調剤薬局の新規出店を積極的に展開する企業では、専門的な研修を継続して、薬剤師のスキルアップを図ることが欠かせなくなっている。

 こうした中、全国の有力ドラッグストア企業等で構成するイオン・ウエルシア・ストアーズは先ごろ、認定薬剤師の育成機関を目指した有限責任中間法人「イオン・ウエルシア・ストアーズ人材総合研修機構」を設立した。同機構の人材教育では、医薬品の販売や調剤に関する研修はもちろん、栄養的側面も含めた予防から治療、介護に至るトータルヘルスケアに必要な知識と技能を習得し、生涯にわたって学習できることに重点を置くという。

 イオンのドラッググループを挙げて、多様化した専門領域を担う薬剤師の育成を図ろうという機関だが、グループ外企業の薬剤師も受け入れる方向であり、この意義は非常に大きいといえよう。大手企業は独自の教育体制を構築してきたが、中小規模では人材教育が大きな課題でもあった。ある企業のトップも「核となる薬剤師の育成が非常に重要。例えば各社の薬剤師と切磋琢磨することで、業界として大きな成果につながるのでは」と同機構への期待感を述べる。

 今後のドラッグストアの成長は、安さと便利性だけでなく、健康や美容に関する悩みや相談に的確に対応でき、今以上に身近で頼りになる存在として、認識され続けることができるかにかかっている。他の業種・業態が、医薬品や化粧品を取り扱っても揺るぎない信頼と安心感を確立するために、薬剤師を含めた人材育成事業の強化が急務の課題といえよう。




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