ドラッグストア業界が総力を集め、セルフメディケーションを支える様々な商品・情報・システム等を一堂に集結させた「第6回JAPANドラッグストアショー」が閉幕した。主催者である日本チェーンドラッグストア協会(JACDS)の発表によれば、3日間の総入場者数は晴天に恵まれたこともあって、昨年を約3000人上回り12万1055人に上ったという。
ドラッグストアの取り扱いアイテムが増加するのと歩調を合わせ、出展メーカーも実に多彩な顔ぶれとなっている。会期のうち2日間は一般も対象としており、各社とも主力製品群の積極的なアピールに努めた。商談のためのバイヤーも昨年に比べ増えたが、最も多かったのが一般生活者で、2000人以上の増加であった。サンプル配布に長蛇の列をなす群衆は相変わらずの風景だが、一方で前回に比べ「少し変化したかな」と思われる場面も目にした。
JACDSは今回、「ドラッグストアを100倍かしこく活用する方法」と題したテーマコーナーで、協会活動と共に最新のドラッグストア業界の話題もパネル等で紹介した。どちらかというと、あまり関心を示されない主催者のPRコーナーだが、今年は多くの一般来場者が、強い関心を抱いていたように感じた。
この展示でJACDSが強調したのは、健康と美容についてアドバイスのできる専門知識を持った人材を配置し、地域の生活者を強力にサポートするドラッグストアであるという点。
ヘルスケア・ビューティケアアドバイザーなどの認定制度、全国ドラッグストア実態調査、また快適な生活を応援する推奨認定品制度などをパネルで紹介。このほかドラッグストアの防犯対策、災害時における救援活動などの取り組み、地域団体等と連携しての若年者・高齢者就業支援活動の構想などが示され、ドラッグストアに対する見解、考え方を新たにした人が多かったのではないか。
また、今回は初めての試みとして、「第1回セルフメディケーションアワード」が贈られたのも特徴。これはJACDS正会員企業に勤める薬剤師や各種アドバイザーを対象に、セルフメディケーション推進のための実践に基づく論文を募集したところ、予想を上回る154作品の応募があり、審査によってグランプリなど各賞を決定し、初日にその発表と表彰式が行われた。
作品はいずれも専門知識を生かし、地域生活者に対する貢献を目指した日頃の活動や研究成果である。業界関係者ばかりでなく、薬科大学など教育関係者も、ドラッグストアに対する認識を新たにした面が少なくなかったようだ。
今年で6回目となったJAPANドラッグストアショーだが、こうして見ると今回は特にセルフメディケーションの主役となる一般生活者にとっても、活動成果を発表する場を与えられ、意欲的に論文を応募した勤務薬剤師などにとっても、重要な意義を持つイベントになったといえるだろう。
また会場では来場者を対象に、将来実現してほしいと思うドラッグストア像のアイデアや意見募集も行われたが、このアンケート集計結果も大いに楽しみである。