◆全国の薬系大学で、模擬患者(SP)を活用した実務実習が盛んだ。中には、SPとして地域住民の参加を得ている大学もいくつかある。学生がSPを務める場合に比べ、本当に患者と対話しているようで、臨場感は各段に高まるという
◆ただ、臨場感の高さが逆に、思いもよらぬ学生の反応を引き出すこともある。地域住民をSPとして招き、4年生を対象にコミュニケーション実習を行っている神戸学院大学薬学部の上町亜希子氏によれば、実習後、8割の学生は前向きな反応を示すが、2割の学生は後ろ向きになってしまう
◆極端な例では、「薬剤師がこんなに患者と関わる職業であることを、もっと早く教えてほしかった。そしたら別の進路を考えた」「患者に直接関わらない進路を志望してよかった」「不安や悩みは看護師に相談するもの。薬剤師に相談するとは思えない」と、レポートに書く学生がいる
◆4年生の段階で、患者の理解や医療人としての自覚が十分でない学生が2割存在することに危惧を抱く上町氏。「患者さんと接する機会を増やすなど、入学早期から医療人教育を継続的に行う必要がある」と話す。
医療人としての自覚
2009年08月05日 (水)
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