文部科学省は、2008年度から始まった「個人の遺伝情報に応じた医療の実現プロジェクト」(第2期)をさらに推進するため、「疾患関連遺伝子研究」を3疾患領域で開始する。
プロジェクトは、第1期を03年度から07年度まで実施。第1期では、対象とする生活習慣病等の疾患について、66機関の協力を得て、東京大学医科学研究所のバイオバンクジャパンが、30万症例に及ぶDNAなどの試料・臨床情報を収集。さらにこの試料を用い、理化学研究所がSNPタイピング・解析を行った。
08年度から始まった第2期は、引き続きオーダーメイド医療を実現するため、第1期で構築したデータや資源を円滑に最大限活用するため、バイオバンクの安定的な維持・運営を図り、疾患関連遺伝子研究を推進していくことを目指している。
今回の「疾患関連遺伝子研究」では、第2期終了までの5年間に、主なバイオバンク収集疾患について、疾患関連遺伝子の特定を達成し、順次、関連SNPの医療応用を行うことを目標にしてる。
09年度は、国民の健康に特に大きな影響を与える、▽肝臓関連疾患領域(B型慢性肝炎、C型慢性肝炎、肝硬変、肝癌)▽産婦人科関連疾患領域(子宮筋腫、子宮内膜症)▽骨・筋肉関連疾患(骨粗鬆症、筋萎縮性側索硬化症、関節リウマチ)--の3領域を進める。