厚生労働省は20日、2008年度無承認無許可医薬品等買上調査の結果を公表し、健康食品31製品からシルデナフィル等の医薬品成分を検出したことを明らかにした。また、違法ドラッグ3種類から薬事法の指定薬物を検出したが、いずれも買上時点では未指定の薬物だった。医薬品成分や指定薬物を含有する製品については、都道府県から取り扱い業者に対して販売中止や回収等の指示を行っている。
調査では、医薬品成分の含有事例が疑われる強壮用・痩身用健康食品、違法ドラッグを、08年10~11月に都道府県が買い上げ、国立医薬品食品衛生研究所が成分を分析した。
強壮用健康食品については、246製品を調べたところ31製品から、勃起不全改善薬に含まれるシルデナフィル(薬事承認上はシルデナフィルクエン酸塩)、タダラフィル、ヨヒンビン(薬事承認上はヨヒンビン塩酸塩)を検出。
特に多かったのはタダラフィルで、6製品のカプセル基材に含まれていた。同成分は、血管拡張、頭痛、動悸などの副作用がある。このほか、シルデナフィルと類似の化学構造のホモシルデナフィル、ヒドロキシホモシルデナフィル、チオデナフィルや、タダラフィルと類似構造のアミノタダラフィルなども見つかった。
痩身用健康食品については、71製品を調べたが、いずれも医薬品成分は検出されなかった。
違法ドラッグについは、28種類を調べたところ、08年12月に指定薬物として指定された5‐MeO-EIPT、DOC、N-methy1-4FMPが検出された。