第45回衆議院議員総選挙は、民主党が過半数(241議席)を大幅に超える308議席(公示前115議席)を獲得。政権交代が現実のものとなった。激戦の中、日本薬剤師連盟推薦の4薬剤師候補については、民主党の三井辨雄、逢坂誠二、自民党の松本純の3氏が当選、渡嘉敷奈緒美氏は2期目の当選を果たせなかった。また連盟では推薦していなかったが、樋口俊一氏(元参議院議員)が近畿比例区で初当選を果たした。薬剤師の衆院議員は、公示前の数を確保した形だ。
与党に激しい向かい風
与党に対する激しい逆風をまともに受け、自民党の松本氏(内閣官房副長官、神奈川1区)は、小選挙区で11万7840票と健闘したものの、民主党新人の中林恵美子氏の13万5221票には及ばず敗れ、比例代表(南関東比例)による復活で、議席を確保した。4期目となる松本氏は、野党からの再出発となる。また、2期目の議席獲得を目指した渡嘉敷氏(大阪7区)は7万9289票で、12万4982票を獲得し当選した民主党の藤村修氏に大きく水をあけられ、落選した。
一方、大躍進した民主党では、いずれも北海道の三井氏(2区)が16万5267票を獲得、自民党前の吉川貴盛氏を大きく引き離し議席を獲得、4期目を務める。逢坂氏は、前回の比例区から小選挙区(北海道8区)へと移ったが、他の候補者を圧倒する17万1114票を獲得し、衆議院議員としては2期目を務める。
また、日本薬剤師連盟の推薦は受けていなかったものの、日薬会員で元参議院議員の樋口氏(民主党、近畿比例区)が初当選を果たした。樋口氏は北里大学薬学部卒でヒグチ産業代表取締役社長、2004年に参議院議員比例区で繰り上げ当選を果たしたが、衆議院では初当選となる。民主党から四国比例区で立候補していた、新人の吉田益子氏(日薬非会員)は及ばなかった。
日薬連盟では自民党の薬剤師問題議員懇談会のメンバーを中心に、多くの候補者を推薦していた。このうち当選10回を数え、厚生大臣を3回務めた丹羽雄哉氏(茨城6区)は、民主党新人の大泉博子氏に競り負け落選した。当選6回で環境大臣、厚生政務次官など務めた鈴木俊一氏(岩手県2区)、当選7回で厚生労働副大臣などを歴任した木村義雄氏(香川2区)らが落選。これら大物議員を含む79人が落選している。
一方当選者では、北海道比例で町村信孝氏(元官房長官、5区)、近畿比例で伊吹文明氏(元財務相、京都1区)、北陸信越比例で長勢甚遠氏(元法相、富山1区)らがそれぞれ復活当選した。推薦候補のうち当選者は、この3氏を含め88人にとどまった。なお、厚相などを歴任した津島雄二氏を含め、今回の選挙を前に9氏が引退している。